島本和彦主催[HOOP HYSTERIA]バスケットボールファンクラブ
吉川 哲彦の「だむだむ探検隊」

bjホームタウンレポート富山編〔2007.5.18〕

実に3ヵ月ぶりの更新です。お待たせしてしまい、ごめんなさい(ペコリ)。何人かの方から「更新まだ?」と言われ、「こんな駄文でも見てくれている人がいるんだなぁ」と改めて認識した次第です。本当にありがたい話です。もっと頑張らねば……
さて、bjリーグの2年目もあっという間に終わってしまいましたが、僕が今シーズン開幕の時に「今年も全てのホームを見に行く!」と宣言したことを覚えていらっしゃるでしょうか?
昨年は全6チームのホームゲームを見ることができました。それで「今年も」と思ったのですが、今シーズンはいろんな意味で遠征する余裕がなく、東京・埼玉以外で行ったのは高松と大阪が各2試合、ファイブスターキャンプ@佐野のついでに足を伸ばした山形(仙台ホーム扱い)が1試合。毎年最低でも3回は行く新潟にも1回しか行けず、大分のホームゲームはついに行くことができませんでした(島本さんゴメンナサイ)。
で、残るは富山。実は昨年4月の別府遠征の際に富山のスタッフと食事会で同席していて、「必ず行く」と宣言していたので行かないわけにはいきません。しかも同じ新規参入組の高松には既に行っていますから、なおさらです。3月31日と4月1日でレギュラーシーズンは終了。その両日が富山での試合ということで、このチャンスは逃すことはできませんでした。この旅がちょっとしたハプニングのオマケつきになることは、もちろん僕も知りません。

当日、試合開始が午後6時30分ということで、僕は午後1時頃に家を出ました。大宮駅から新幹線に乗り、越後湯沢でほくほく線という路線の特急金沢行きに乗り換えです。おおむね順調……のはずでしたが、当初乗る予定だった特急は僕の勘違いで既に出発していて、次の特急まで1時間待ち。あちゃー、やっちまいました。
でもこれだけでは終わらないのです。1時間待って乗った特急が強風のため徐行運転、さらに黒部と魚津で計1時間ほど停車。富山市総合体育館に着いた時には、試合は4Q残り4分59秒(オフィシャルタイムアウト中)でした。取材する試合に遅刻したことは何回かありますが、一番遅れた時でも2Q残り7分くらい。ここまで遅れたのはさすがに初めてです(-_-;)
こうなったらもうスコアをつけてもしょうがないし、なんかぐったりしてしまってスコアをつける気力もそもそもありません。残り5分はメモも取らずただ観てるだけ。一応記者会見には顔を出しましたが、なんせ試合をほとんど観ていないので会見で喋っている内容も理解できません。一体僕は何をしに来たんでしょう(爆)。

気を取り直して、翌日。この日がレギュラーシーズン最終戦です。10時にホテルをチェックアウトし、体育館の近くまで来てみると、どうやらこの一帯は体育館以外にもいくつかの施設が集まっているようです。脇には川が流れ、水辺はきれいに整備され公園になっています。どの建物も新しくて立派です。富山駅は大きいターミナル駅とイメージしていましたが、そこから徒歩5分の位置とは思えないのどかさ。駅の南側はそれなりに都会ですが、北側はすごくゆるやかに時間が流れている印象です。
いざ体育館に到着し入口を入ると、既に300人は並んでいました。その列のすぐ横に、バスケ選手の銅像を発見。胸には「TOYAMA」、背番号は23。誰かモデルはいるのか? いないとしたら23番ってのは安易でないかい? そもそもなんでバスケ? などとくだらないことを考えながら、食料調達のために一旦体育館を出ました。この時点で列は500人くらいに伸びて、館外にはみ出ています。
体育館から一番近いコンビニもこの日はさすがに混んでいて、店を出るのに20分はかかりました。そして体育館に戻ってみると、統一地方選挙の時期とあって、県議だか市議だかの候補者が建物の脇で街頭演説を始めていました。面白かったのは、スタッフが着ているジャンパーがよりによってこの日の対戦相手・新潟のオレンジ! で、演説を聞くと「我々、オレンジを着てはいますが、こよなく富山を愛しております!」……う〜ん、どこか説得力に欠けます(笑)。
さらに聞いていると「私は学生時代、サッカーや柔道などいろんなスポーツをやっておりました。もちろんバスケットも大好きです!!」……本当かなぁ(爆)。それでも、「県内初のプロスポーツチームとして、グラウジーズには富山を盛り上げていただきたい」という言葉を聞いて、「ここを選んで来てくれたんだからありがたいじゃないか」と思いましたね。お名前は失念してしまいましたが、当選できたのかどうかちょっと気になります。
体育館の入り口まで来ると、列はさらに伸びています。こりゃ1000人近くいるかな。結局開場は当初の予定通り12時でしたが、少し繰り上げてほしかったですね。昨夜降っていた雨も上がり、寒さもそれほど感じなかったのが救いです。

そんなこんなで、いざ試合。大黒柱#3ジェロッド・ワードはもちろんのこと、この日は#17ネイト・ジェームスも獅子奮迅の活躍で、前日勝った勢いそのままに、リーグ最少失点を誇る新潟から前半47点を奪い、13点リードで折り返し。最大で17点リードし、4Q残り7分を切ったところで#13米本聡の3ポイントが決まって10点リード。富山のホームゲームとして過去最高の3702人の観衆は、そりゃあもう大変な興奮状態です。
しかし、その直後にチームの顔とも言うべき#1呉屋貴教がファウルアウト。これが合図になったかのように新潟の逆襲が始まりました。インサイドの要#21ニック・デービスに加え、前半集中力を欠いた#44ジャック・ハートマンがガンガン走ります。サイズのある2人に走られては富山もたまりません。リバウンドを取ったデービスのタッチダウンパスでハートマンがダンク、3分強の間に13−0という猛攻でついに逆転しました。富山も必死に食い下がるものの、最後はファウルゲームのフリースローをハートマンがしっかり決め、新潟の勝利。
負けたとはいえ、この日の富山ブースターの熱狂ぶりは素晴らしいものでした。試合後のセレモニーでは、キャプテン#33根間洋一が「良い経験をしたし、いろんな人に出会ったし、富山が好きになったし、充実した1年でした」と言えば、福島雅人HCは「皆さんの思いを背負って、来年も戦っていきます」と力強く宣言して拍手を浴びました。グラウジーズは元々7年ほど前から地域に貢献する活動をしていて、クラブ選手権優勝やオールジャパン出場などチームとしての実績もあるチーム。その地道な活動が生きたのか、しっかりと地域に根を下ろしたチームになっていることは、この日の体育館の様子で十分に理解できました。

ところで、この最終戦を前に、アトラスコーポレーションがメインスポンサーから撤退するという報道がありました。そんなこともあってこの最終戦終了後には河内敏光コミッショナーも駆けつけ、アトラスコーポレーション泉俊光代表の記者会見も設定されました。その泉氏曰く、「撤退はするが、種はまけたんじゃないかと思う。これからは富山県民の一人ひとりがグラウジーズを作っていってほしい」。その通りです。報道を受けて、“チーム解散の危機”と解釈した人も中にはいたようですが、東京や大阪のような大都市じゃなくてもプロ1年目に3700人を記録できたんだから、富山は大丈夫。
次のシーズンも富山に行くぞ〜〜〜!!



吉川哲彦(よしかわあきひこ)

1974年生まれ、東京都出身。公称181cm、69kg。背番号49。
小学校の体育の授業でそれなりに上手いと勘違いして、中学入学と同時にバスケ部へ。現実を思い知り、1年後に転校した先ではバスケ部に入らなかったが、その後5年ものブランクを作ったことを今も後悔している。
半年後に大学受験を控えた1992年、バルセロナ五輪のドリームチームを見て「俺もダンクしたい」とまた勘違いし、大学でバスケ部(体育会系)に入部。3年時には主にベンチから戦況を見つめるという役割で、関西リーグ4部準優勝&3部昇格に貢献。
26歳の時、周囲の勧めがきっかけでフリーのスポーツライターに。新潟アルビレックスを皮切りに、取材対象はほとんどバスケ。老若男女問わず、バスケとつくものにはとりあえず食いついてみるというスタンスで、公私ともにバスケ三昧の日々。
2005年、初の著作「オールドルーキー」(共著・阿部理)がHOOP HYSTERIAより刊行される。

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